フォロー

Audibleについて、「倍速で聴くのは悪」みたいな論調が盛り上がってるの嫌だな。視覚障害者は数倍速であらゆる文章を聴くのが普通なので。晴眼者が本を読むときに一部を読み飛ばしたり、眺めるように適当に読んだり、あるいは何度も読み返したりするのと同じく、視覚障害者も各々が快適に物語を楽しめる速度や好きな聴き方で本を楽しんでいるわけですから。それこそ朗読を含む録音図書を。
「倍速にする奴は本への愛がない」みたいな方向に進んでいくネット上の"議論"のなんと健常者主義なことよ、と毎回思う。それに「倍速で聴くなら機械読み上げだけ聴いとけ」的なのも、視覚障害者の読書体験をかなり軽視した主張だと思っている。これは本だけの話ではなく、(副音声/解説音声が付いた)映画等の映像芸術においても同じことが言えるけど。雑すぎる「倍速は悪」の論調がこれ以上加熱しないことを願うわ。(ちなみに私は現状では読書には支障がない程度の視野欠損/視覚障害持ちです)

私は現在は本を読むし、映画を観るとき倍速にしてない(映画の持つ時間芸術の側面も好きなので作品の所要時間も楽しみたいから)けど、今後このまま視力がなくなったときに今と同じ楽しみ方ができないのはわかっているよ。そうなったときに本や映画を楽しもうと思うなら、私は今とは違う選択をするだろうし、もちろん倍速で聴く方法も取るだろうなと思っている。
タイムパフォーマンス/コストパフォーマンス至上主義による、芸術作品をチェリーピッキング的に消費する行為ついて「無粋」と言いたくなる気持ちはわからんでもないが、究極それだって("ファスト映画"のように著作権侵害をしていなければ)個人の自由だしね。
なんにせよ、「倍速視聴」を本や映画や音楽などの芸術の「正しい楽しみ方ではない」または「悪いことである」と断じてしまうと、それは(意図していないかもしれないが)結果的に視覚障害者を芸術や娯楽から排除する発言になっているからやめてね…という気持ち。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。