すでに月白にたった一万の日、これから月白にたつ一万の日に、刻刻とつもりつづけるものの、そのひとひらを読み解くにさえさかのぼりほりひろげなければならない視野は、けっきょくのところ全世界だった。こうして世界はにわかに知る値うちのあるものと変わった。わなだった。恋の。