菊地成孔用語としてのリズムの積分/微分、『憂鬱と官能を教えた学校』から引用すれば、積分は「コードが変わる分には、どんどんどんどん最小単位を積分的に積み重ねていけばいい」(文庫版下巻p.190)、微分は「いわゆるグルーヴっていうのは微分的な音楽で、つまり、最小単位の長ーい一周が決まってて、それを割ってく」(文庫版下巻p.191)
kawade.co.jp/np/isbn/978430941
つまり言い換えれば前者は加算、後者は分割。
この(のちにソーカル他に批判される)フレンチ・セオリーにおける自然科学用語の誤用に連なる用語の拝借は説明をわかりにくくしている点で成功していないと思いますが、まあ本人は意にも介さないんでしょう。

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ついでに言うと、リズムに関して用いられる「なまり」という表現は『憂鬱と官能を教えた学校』ではじめて知って、横川理彦も普通に使ってますが、一般的な表現なんですかね。なまっていない状態を規範としているととらえられかねないという意味で割と問題含みの表現だと思いますが。
理論の中身ではなく表現の観点からは、ポストコロニアリズム的に批判したほうがよい点が菊地成孔にあるように思っています。これも本人は意に介さないでしょうが。

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