本日発売になる『角川 短歌年鑑 令和7年版』の特別座談会において、平岡直子さんに私の歌を一首引いていただきました。
馬のこと…の歌は、「歌に対する技巧的な試行錯誤」は何もなく、すぽっと生まれてきた歌ですが、それに到るまでの生き方に屈託があるからこそ出てきたような気がいたします。並み居る強豪歌人と列んで「九野川」の名があるのは不思議な感じがしますが、引いてもらった歌の方には、それだけの力はあると思っていました。
それはそれとして、あの一首は歌会に出したこともなく、新聞短歌の為の書き下ろしだったので、撰者の水原さんの言葉以外に、殆ど評を貰ったことがありませんでした。平岡さんや小島さん達がどのように読まれたか、を読むにつけ、なるほど私が歌会でも何でも、求めるものは評なのだな、と尽くづく感じました。どのようなイメージを喚起され、どのように分からなかったかを語る。そのことで、言葉の世界の彩りを拓いていく。私のなかの何かも開いていく。私は、何度でも生きられる。