岩波文庫の丹下健三建築論集を読んでいる。
安直な機能美礼賛を窘めてるの、いいっすね。
"機能的なものは美しい、という素木なしかも魅惑的なこのことばほど、罪ふかいものはない。これは多くの気の弱い建築家たちを、技術至上主義の狭い道に迷いこませ、彼等がふたたび希望にみちた建築に帰ってくることを不可能にしてしまうに充分であった。
彼等は「美しい」ということばを、ひそひそとは語ったが、堂々とそれについて語ることを躊躇した。機能的であることを主張して、その建築の醜悪さをかばった。そのことばには何かしら、安心感を与える魔力があったのである。"