彼に、晶という名に日という文字が三つ入っているから、志度さんは太陽なんですよと告げたのは、酔っ払いの戯言に見せ掛けて、まるっきりの嘘でもなかった。
躁と鬱の波がありはするが、そこに彼なりの譲れない線があって、実はおかしなほどにぶれない軸のようなものがあるのに付き合ううちに気づいた。
必要以上にこちらを詮索しないのも助かる。
貴方が思っているよりずっと、貴方はお日さまの下を大手を振って歩いていい人なんですよと、本人は固辞しかねないそれを称号のようにそっと掌に乗せたい。
名前に月が三つある僕から、ちいさな恋文のように。