つらいね
小学四年生のとき、私は鈍臭く、失敗ばかりをしていたので、クラスの男の子から嫌われていて、失敗を笑われて真似されたり、悪口を言われたり、物を隠されたりなどしていた。
次第に、休みがちになった。すると、校長から電話が来て「話をするだけでいいから、一度来て欲しい」と言われた。
学校は怖かったけれど、母に校門の前まで送ってもらえて、がんばれよ、と言ってもらえたことが嬉しかった。
靴を履き替えたら、先生が迎えに来た。腕を掴まれて、そのまま廊下や階段を引きずられた。泣いて嫌だと言ってもやめてくれなくて、結局、教室の中まで押し込まれた。
暴れて逃げた。階段の前まで来たら、教頭に待ち伏せされていた。教頭も男性だ。
ニヤニヤしながら「大人に勝てると思うなよ」と言って私を羽交締めにした。その後の記憶はない。それが、大人に対するトラウマを植え付けられた日だった。
私が卒業した後、教頭が逮捕されたと聞いたときは「ざまあみろ!」と喜んだけれど、なんとあれから20年経っても傷は癒えないままで、もちろん大人の私は「ずっと昔のことだよ。そういう時代だったんだよ。もういいだろ、しつこいよ!」と苦笑いしている。でも、子供の私はずっと膝を抱えて泣いている。きっと永遠に、この子が救われる日は来ないのだと思う。