黄色い繭の殻の中
FILMEX
早起き+空調激寒だったためコンディションBAD。
「あえて空白を作って想像の余地を残して……」系の作家だったので合わなかったのは納得。これは「あらゆる表現に唯一の正解がある」というニュアンスではなく、最初から受け手に任せっきりの態度に対しての考え。ベトナムのキリスト教文化があそこまで詳しく映像化されてるのは見たことなかったのでそこは良かったかもしれないけど、あとはギリギリ物語になるレベルの筋書きがあってその間に好きに撮ったものを挟んでるくらいの見方しかできなかったな。映画の中で起きてることに対して肯定も否定もないけど「じゃあこの時間はなんだったの……」って話でもあると思う。
ラブシーンは不器用とも言えるし下手くそとも言えるけど、序盤のマッサージ店のシーンを見る限りその辺に気を配ってる人って感じもしなかったな。セックスワーカーの主体性を無視して「そういうもの」として性風俗店のシーンを入れるの、中立でも何でもなく搾取への加担だからやめてほしい。ルーさんはクレジットもルーさんだったしQ&Aでも実際の体験を話してもらったと言ってたけど、明らかにカメラを意識してる素振りなのがフィクションの壁を壊しに来る感じで良かった。おばあちゃんの方は俳優さんと言ってたし実際演技が少し芝居がかり過ぎに感じて白けてしまったな。
映像面、そんなに良いかな……。あれだけもったいぶるなら何か一つ鮮烈なショットが欲しい(冒頭のあれだと足りない)。それこそルーさんのところ、原付乗る前のシーンからずーーっと繋がってる長回しだったけど特に意図は掴めず。勝手にフィルム撮影だと思ってたけどデジタル丸出しだったのも残念。