個人的に注目したいのは、日本文学ファンサイトでも呼ぶべきRead Japanese Literatureを運営するAlison Fincherさんが識者としてコメントを寄せていることです(Alison Fincherさんが最近ある場所に投稿していた文章は、The Guardianのような媒体に登場するのは今回が初めてであることを示唆しています)。この方は研究者などではありませんがすでに英語圏の翻訳家にはよく読まれているサイトで、英語圏の出版社の日本文学の近刊情報、そして(もちろん合法的に)ウェブサイトに公開されていて無料で読める日本小説のリストをまとめてくれているのでたいへん有用です(わたしも重宝しています)。他方、Podcastを数回分聞いた限りでは、かなり危うい内容に個人的に思えます。テーマ別に「文学史」的な視点で作品を語っているのですが、限られた数の既訳作をベースに「これは(おそらく)この時代ではもっとも〇〇な作品」といったassertiveな言及を重ねるのは過剰一般化のように感じられます。