自分はアイデアを論文化したり、申請書や報告書を書くのが苦手な人間だったので、研究者の仕事は論文という形で成果を公表するまでだという考えに、耳を痛くしながらも納得はして研究の世界を離れたのだが、自分のことは別として、ここまで分業化が進んできた上に、先端科学では、個々の分析が極度に専門化してきて、論文の全貌の全てをきちんと一人で説明できる人がいなくなってしまうようになると、研究に重要な役割をしながらも、文書化が苦手だったり、特定の能力が劣っているだけの人が研究者として生きていけないのは、社会にとっても損失だし、当然その研究者にとっても不当な扱いをしていると思うのだよなぁ。
フェミニズムの考えに共感する研究者は多くなってきたけど、寝食を忘れて研究に打ち込み、論文を多産する、ライフワークバランスから外れた生き方に対して疑問に思ってはいないどころか、賞賛すらされていると思うし、それが結果的に、フェミニズムに代表されるような多様な生き方の妨げになっているのだとも思う。