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『デンジャラス・ビューティー』(2000年)を観た。

 サンドラ・ブロック含む製作チームの、「フェミニズムを学びたい意欲はあるものの、まだ途上」な状況がよく分かる。
 議論のネタ(教材)としてはとてもいい気がする。

 ミス・アメリカ。女性が『鑑賞の対象』にされるミソジニーのコンテストの頂点の1つ。
 でももはや。「そもそもミスコンなど廃止すべきでは」まであと一歩。

 その現在点から振り返れば、この作品は水着審査への批判はないし、ましてやミスコンそのものへの疑義も投じていない。
 主人公グレースは名誉男性で、「ミスコンに参加する女性なんてどうせ頭悪くて云々」という蔑視を内面化している。(ミスコンで選ばれるような女性を好みとしながら蔑視する)ミソジニー男性の価値観を内面化して男性社会になじもうとする女性の代表として描かれている。
 そういう勉強不足な点は看過できないが、ミスコンの内幕としてミソジニー男性が望む「女性vs女性」の醜悪な足の引っ張り合いではなく、親しく互いに助け合う内面の美しい女性同士のシスターフッドが描かれているのはよかった。(続




(続き)
 24年経過した今、この映画をリメイクするとしたらどうなるか、をあれこれ考えながら鑑賞すると楽しいと思う。
 最後、あの上司と恋愛関係で結ばれる、という結末は、今だったら蛇足すぎるだろう。

 もう一つ、決定的にダメなのは、LGBTQの扱い方。これも今リメイクされていたらだいぶ異なっているはず。
 あと、爆破を計画したキャシーの動機がやや雑。復讐したい気持ちは分かるが、だからといって何の罪もないミスを殺すか?
 キャシーの息子が前科者だからといって、母親の犯罪になぜ協力する気になったのか、その経緯も描かれていないのが不満。




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