『デンジャラス・ビューティー』(2000年)を観た。
サンドラ・ブロック含む製作チームの、「フェミニズムを学びたい意欲はあるものの、まだ途上」な状況がよく分かる。
議論のネタ(教材)としてはとてもいい気がする。
ミス・アメリカ。女性が『鑑賞の対象』にされるミソジニーのコンテストの頂点の1つ。
でももはや#metooの成果で水着審査がなくなったり内面の審査に重点を置いたりだいぶ改革が進んでいるらしい。「そもそもミスコンなど廃止すべきでは」まであと一歩。
その現在点から振り返れば、この作品は水着審査への批判はないし、ましてやミスコンそのものへの疑義も投じていない。
主人公グレースは名誉男性で、「ミスコンに参加する女性なんてどうせ頭悪くて云々」という蔑視を内面化している。(ミスコンで選ばれるような女性を好みとしながら蔑視する)ミソジニー男性の価値観を内面化して男性社会になじもうとする女性の代表として描かれている。
そういう勉強不足な点は看過できないが、ミスコンの内幕としてミソジニー男性が望む「女性vs女性」の醜悪な足の引っ張り合いではなく、親しく互いに助け合う内面の美しい女性同士のシスターフッドが描かれているのはよかった。(続
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