イギリスからの移民(ピューリタン)がアイルランド移民(カトリック)を差別し、白人が黒人を差別し…南北戦争の時代の北部といっても奴隷解放に反対していた人たちが少なからずいたことは、盲点、というか想像したことがなかった。
ビルはひたすら恐怖で人をおさえつけることでサバイブしてきた、と語るが、そういう生き方がもう旧世界で、「新大陸」「自由の国アメリカ」に生きる人間として失格なのだと理解できないところが哀れ。ダニエル・デイ=ルイスの狂気じみた芝居に、終始ゾっとした。
それにしても、みんな神に祈りつつ思いっきり殺し合ってるところがなんともご都合主義…その殺戮を神様が赦すはずなかろうに。
ビルがジェニーを舞台にあげてナイフ投げをするシーン、あれはほんとうにDVだった。あのときのビルの気持ちがまったく理解できないので変なシーンではあるのだが、ほんとうにキャメロン・ディアスが怖がっているように見えて仕方がない。
ブレンダン・グリーソンがまだ若い。いきなり背中に包丁を投げられて撲殺なんて、あんまりな死に方に目を背けた。