『白痴』は江川卓翻訳で読んで江川卓の『謎解き白痴』も読んで両方面白くて大興奮したので続けて江川卓翻訳の『カラマーゾフの兄弟』も読んだのだがこっちはなぜかそれほど興奮がなかったし面白いかどうかもよくわからなかったのでまた挑戦したい。
しかもその時タイミングが良くて『謎解き白痴』読了してすぐ黒澤明の『白痴』が新文芸坐で上映されて野上照代さんのトークショーまで観た。私白痴のアグラーヤって嫌いなんだけど黒澤版だと久我美子でめちゃくちゃ可愛いし黒澤明はそう解釈するのか、と思って面白かった。野上さんは「失敗作だと思ってたけど久しぶりに見たらとてもいいですね原節子さん以外」って言ってて、原節子のナスターシャ良いけどな??と思った記憶。レーベジェフが左卜全なのがなんでだよ!!しかもコメディリリーフで!!
前に書いた大恩人Nさんと黒澤版『白痴』の話してて、私は原作のアグラーヤの結末の行動があの女性の変な凄みがあっていいんじゃないかと思うんだけど、久我美子の涙と反省で終わる黒澤版はあまりにわかりやすすぎて、久我美子は可愛いけどありなのかって話をして、Nさんは「黒澤明って本当に何でもかんでも千秋実にやらせますよね~、ほかの俳優使えばいいのに千秋ばっかり!」って言っててウケちゃった。『白痴』は3人分くらいの役割をまとめて千秋実が担当しててその中には病弱な十代の少年も含まれるから見ててびっくりしたのよね。
『白痴』で一番好きなのリザヴェータ侯爵夫人なんだけど、東山千栄子が演じてたの良かったな~、左卜全のことバシバシひっぱたいてて。けどなんであの二人がコメディリリーフになってるんだ、ドストエフスキーの小説と黒澤版の記憶が入り混じってよくわからないことになってるが、黒澤版は原作の雰囲気をかなり忠実に映像化してると思う、どこかにあると噂のノーカット版も見たいと思うような面白さ!
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