ヒロインと出会うディスコの場面の可笑しさとかここからミュージカル始まるのかと思ったらそうでもないし、メタル要素もカンフー要素もそこに期待していったら多分肩透かしを食うと思う、当時は禁じられたエンタメ文化に熱狂する主人公があまりにも軽々と宗教の戒律も法律もぶっちぎっていくので唖然とするし、なのに奇蹟はしっかり起きるし、途中宗教によって悪魔化される女性像が描かれるのか?と不安になるとそんなことないよー!!みたいな話のぶん投げ方するし、とにかく予想がつかない……わかるのは修道院の長老役の俳優さんの身のこなしが素晴らしいことと師匠にしてライバルの修道士がめちゃくちゃ可哀そうなだけ……。
ただなんか荒々しくも感じられる人間の生そのものに神性を見出すような、哀しみも喜びも、善悪さえも超越したところに生命の輝きがあってそれを称揚しているみたいなそういう美しさがあるので……いや本当か……ちょっともう一度見に行こうか……どうしよう、という感じです。映像が美しく品があってとにかく音楽もよい。『リザとキツネと恋する死者たち』とか『たちあがる女』とか好きな人におすすめしたいんですが、いや違うかもしれない、とにかく『ノベンバー』を見直します