『密輸1970』
冒頭の潜水シーンで海女さんたちが自然に美しいフォーメーションを取る姿がクライマックスの水中戦で繰り返されるのも本当に、本当に良くて、地上では膝を屈しても水の中なら自在に動ける彼女たちのプロフェッショナル性と伸びやかで自由な身体の表現が美しくて涙が出てしまった、プロが言葉のないコンタクトで自然に互いを守り合うポジションに移動するの、もうジョニー・トーの傑作『ザ・ミッション』と同じかっこよさ!
リュ・スンワン監督の前作『モガディシュ』は映画全体を流れる律動が映像と調和してクライマックスにかけて凄まじいうねりを生み出していてこれも大好きだったんですが、今作は歌謡曲の軽快なテンポに合わせたカット割が効いていて、音楽の使い方もめちゃくちゃ上手いと思いました。
あとチョ・インソンいい役だったなぁ~往年のファム・ファタルみたいな登場の仕方して、チュンジャとの関係性もよかったし。でもエンドクレジットの「そして…チョ・インソン」はもう『大脱走』のスティーブ・マックイーンas独房王(cooler king)思い出して笑ってしもた。