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伊丹万作が戦後すぐに発表したというエッセイの言葉に打ちのめされる。

大江健三郎『親密な手紙』岩波新書(p30より)

《……だまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。》

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