M-1の話
ウエストランドよりもさや香の2本目の方が私は苦手だったのだけど、自分でもそれが不思議だったので、なぜだろう…と考えていた。 まず理由の1つとして、ウエランは何度も舞台でお見かけしているし、推し芸人とも比較的絡みの多い芸人さんだから好意的に見ていたというのはある。 けどそれ以上に大きな理由として、ネタの構成や性質にも関係があり、 ウエストランドは井口さんの存在が漫才上で“滑稽な小市民”になっていて、踏んでも良いラインを繊細に見極めながら“自覚的に”毒を放っていることもわかるので、1歩引いて見ながら笑える。 けどさや香の2本目の漫才は、異性愛規範を少しでも疑問に感じた事のある人なら自明に答えの出る「男女の友情の有無」という議題を、“無自覚的に”取り扱っていたのが無理だったんだろうな。 ウエストランドは傷つく存在をきっと想定しながら漫才を作っている、けれどもさや香の2本目はそんな存在を想定もしていなかったんだろうな、と感じてしまったのが1番しんどく感じた理由。