追記:
「対話を取り戻す」という言葉を使った理由について少し補足を。
言論が硬直化、あるいは両極化している分野では、次のような伝統的な言論のスタイルだけでは問題が解決されないという事情があります。
- 正しい知識に基づく吟味されたわかやすい説明で理解を促進する
- 権威ある団体のお墨付きをもらう
etc.
自分の意見では次の2つの段階が求められます。
第1段階は壊れた対話の修復。いわばグループセラピーです。
日本の原子力災害の被災地では、"IDPAメソッド" というものを用いて、対話の修復を図る取り組みが続いています。(詳しくは安東量子さんたちの活動を参照)。
違う分野では、脱カルトの取り組みにも一種のグループセラピーの側面があると考えています。
まず対話を、共有できる言葉を取り戻す必要があります。そのうえで、はじめて第2段階——意見が違う人々が話し合い批判しあい合意を図るプロセス、すなわち政治を機能させることができると考えています。
(詳しくは、『世界』2024年2月号「壊れた対話を取り戻す」を参照)