イーロン・マスクのTwitter買収はビジネスとして大失敗だった。ヘイトスピーチなど有害コンテンツを嫌い広告主は逃げ、売上げは2年で84%減。企業価値を大きく毀損し、英国やブラジルでは暴動を幇助した。ブラジルではサービス停止を命じられた。
ところがイーロン・マスク本人はそれほど困っていない。X/Twitterの赤字はポケットマネーで埋められる水準だ(マスクはテスラから超高額の役員報酬を得ている)。
そしてイーロン・マスクは今年に入り米国の共和党とトランプに深く食い込んだ。トランプはマスクを政権に起用すると発言。
イーロン・マスクはお金を無駄に使い、Twitterを壊し、社会の不和を煽り、その結果として政治的な影響力を得た。迷惑系テック富豪がのさばる世の中だ。
イーロン・マスクは、「言論の自由 VS 政府の規制」というフレームで語りたがります。しかし、国際人権法によれば言論の自由(表現の自由)は無条件の自由ではなく、義務と責任を伴います(国際人権規約 自由権規約 第19条)。マスク支配下のX/Twitterが偽情報に基づくヘイトスピーチや暴力扇動をまき散らし社会に実害が及ぶなら、司法や行政のチェックが入ることは当然のことです。
イーロン・マスク流の言論の自由(表現の自由)はいったん脇に置いて、ここは「迷惑なテック企業 VS 公共」というフレームで見た方が実態に合っているといえるでしょう。