ゲーム理論は、軍事、経済、経営戦略などで基本的な思考方法になっている。
ゲーム理論では「利害が相反するグループ群がある」と考えて問題を図式化し、自分のグループに有利な戦術を考え出したり、全体最適を考えたりする。
ただしゲーム理論には重大な「穴」がある。ゲームには利害しかなく「対話による行動変容」が含まれない(参考:アマルティア・セン『合理的な愚か者』」)。ゲームに集中すると、人を人として見なくなってしまう。
一方、人道の基本は「すべての人に平等な尊厳がある」と考えること。この考え方は、「すべての人に平等な権利がある」とする人権の思想の基盤となっている。
私たちは、人々を分断して競わせるゲームの思考から脱却し、「すべての人」について思い考える人道、人権の思考を、そして対話を取り戻さないと——。
これが最近思っていることです。