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三津田信三「逢魔宿り」(角川ホラー文庫)を読んだ。

kadokawa.co.jp/product/3221110

元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。
(あらすじから一部引用)

良い連作短編ホラーでした。
作家シリーズのようにメタフィクション的語り口となっており、それぞれの短編を最後の「逢魔宿り」にて総括するのは構成の妙も感じて良かった。

どれも三津田信三的な魅力があって良かったし、解決があっての恐怖よりも"分からない"や"後味が残る"と言った未知への恐怖みたいなものがずっと続き、山奥/予言/新興宗教/血筋/など、それぞれの特色を持った短編となっているのも⭕️

後は語られる怪談の登場人物の行動に合理性などを求める方にはもやもやして合わない気がするのでおすすめは❌
そこを気にしない人であれば、夏どきなのでおすすめできるホラーですね。

 

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