紀田順一郎「古本屋探偵の事件簿」(創元推理文庫)を読んだ。
http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488406011
「ビブリア」シリーズなど、古書とミステリの相性はとても良いものだと感じていたが、この本も「古書」が中心となるミステリとして面白かった
「本の探偵――何でも見つけます」という奇妙な広告を掲げた神田の古書店「書肆・蔵書一代」主人、須藤康平が探偵として、様々な古書や人を探す過程で色々な謎に遭遇して行くのだが、その時に出会う愛書家は誰もが一癖も二癖もあるような人物ばかりで、それがまた良い味を出していた
戦後〜が舞台となっており、今の現代と違ってその時代にしか出せない人探しや脚で解決するような泥臭い展開も読んでいて作品に浸かれたのかと思う
古本屋、印刷家、出版業界、愛書家、蔵書家…古書に纏わる様々な人達の表も裏も全てまぜこぜになって描かれており、ミステリ以外でも楽しめる要素があって良かった
この作者は初読だったが、他の作品も読んでみたいと思うくらいには良かったです