読書離れの話題について書いたら長文になった。
若者の読書離れ(何かもう◯◯離れという話題自体枯れている感も否めない)が話題になり色々原因が考えられているが、原因は複合的なもので「これ」と断定するのは難しいだろうし、それに「価格」という超重要な要素があまり語られない点に疑問符が付く。今では文庫本でも1000円を超えるのは普通で高額を付ける出版社の場合価格だけ見るとハードカバーと勘違いすることもある。
例えば手元の新潮文庫版『ペスト』(平成12年=西暦2000年3月10日第59刷)の定価は税抜667円。当時の消費税をたすと700円。それが現在は税込935円。この差は大きい。先日講談社文芸文庫から刊行された中上健次『異族』なんて960頁もあるから3850円もする。本当に文庫本なのかと。雑な言い方ではあるけれどただでさえ読書が一部の趣味にすぎなかったところ、その読書が高級な趣味になってきている状況下では本から離れるのも当然かも知れない。図書館に足を運ぶのも時間と労力を要するし。
とはいえ書物を愛し、物書きの端くれとして活動している身として読書を愛好する人が減っていくのは悲しいので打開策はないものかと自分なりに考えている。仕方ないの一言で済ませたくない。
読書離れの話題について書いたら長文になった。
@granat_san ハードカバーの翻訳書とか本当に目玉が飛び出るほど高額だったりしますね。1冊の情報量を考えると数千円でも安価な方かも知れませんが、それでも懐に響くことに変わりはないので悩ましいです。家計の事情で本を買えない家庭が増えると若い時分に本に触れるチャンスも減りますし、読書と疎遠になるのも当然の流れなのかな、と。そう考えると価格は非常に大きな問題ですよね。