⚠王劉帆の通ったシナリオすべてのネタバレ
幸せか? と度々尋ねてみるけれど、幸せだよなあ、と思う
「なかったこと」になった世界、どんなふうだろう、とよく夢想する 砂山くんが生きていて 南極に行くことはなくて あの調査隊で知り合ったひとたちはぜんぜん赤の他人で ストンリーくんの脳みそは家にないし 直ともなんでもない友人だ 昏い傷と一緒に昏い絆もなくなったけど、他の人よりちょっと多めに仲良くしてくれたら、と願う
「なかったことになった」ことが胸に空いた寂しさを埋める なんて透明な歓びだろうと思う 空虚で 実がなくなって それなのに喜びだけはある
目尻に笑い皺ができたらいいな 新たな積み重ねの証になるように
人間の積み重ねてきたもの、残した足跡に熱情を覚える私が、「なかったことにする」という選択を取れること、あとにも先にもなかなか……なかなかもう、ないんじゃないかと思う