バラダイのような普通の父子のようなよくわからないココア話。父の様子がおかしいので何でも許せる方向け。 

「こっこあ♪こっこあっ♪」
「熱いから気をつけるのだぞ」

ふーふーしてからな。
そう言い添えて。
ちょこりと座るディーノの前に、羽の生えた金色のスライムがプリントされたマグをそろりと置いてやる。

「うん!ありがとー!」

するとココアが大好きな息子はたいへん良い顔で にぱっ!と笑い。
小さな手で慎重にカップを持つと、まだ少し湯気のたつココアに「フー、フー」と息をかけはじめた。


「………」

頬を膨らませ、忠告どおり素直に息を吹きかけるディーノ。
ふにっ、とした真ん丸で柔らかなほっぺたに、少し突きだされた唇、好物を前にしてキラキラと輝く瞳──

(あぁ…素直なところも容姿もすべて可愛いっ!やはりうちのディーノは可愛すぎやしないか!?)

亡き妻にはそれはあなたさすがに言い過ぎよ、などと言われたものだが……
今でも私はディーノが天使の生まれ変わりだと信じている。(でなければこんなに愛らしいはずがない。)


「?とーさんどーしたの?のまないの??」

じっと自分を見つめたまま手にしたコーヒーを一向に飲もうとしない私を不思議に思ったのか、ディーノは“ふーふー” を止めて「なにしてるの?」と問いかける。

まさか、おまえが天使のように可愛いから見つめていた…などと説明するわけにもいかず、咄嗟に
「なに、熱いから少し冷ましてから飲もうと思ってな」などと嘘をついたのだが。


「ふぅん…じゃあでぃーのがふーふーしてさましたげるね!」
「…!?」

最近何かと私の世話を焼きたがるディーノはまたしてもニコニコと嬉しそうに笑い。
はい、もって!と私にコーヒーの入ったマグを持たせて宣言どおりにコーヒーを冷ましはじめた。


「ふぅーふぅーふぅー……これでいっしょできるね!あついからね、きをつけるんだよ?」


──~~◎△●※§!!


「……けっ」
「け???」
「ご、ゴホン!あ、ありがとうディーノ!これでいっしょに飲めるな」
「?うん!!こっこあ♪こっこあっ♪おいしいこっこあ♪」
「………」

…尊可愛すぎるあまり危うく『結婚しよう』などと口走るところだった……危ない。

もう一度息を吹きかけ、そろそろと口をつける息子を横目に見ながら…冷ましてもらったコーヒーに目を落とす。
黒の海には思い悩む自身の顔がゆらゆらと漂っていた。

ディーノにもいずれふさわしい相手…伴侶が見つかるはずだが、はたして。
その時自分は笑って息子を送り出してやれるのだろうか──?


「こっこあ♪こっこあ♪おいしーこっこあ♪」

口の端に茶色の汚れをつけ、楽し気になにやら口ずさみながら嬉しそうにココアを飲むディーノ。
そのやはり可愛過ぎる姿を視界にうつしながら私は…いつもより少しほろ苦いコーヒーを、すすったのだった。

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バラダイのような普通の父子のようなよくわからないココア話。父の様子がおかしいので何でも許せる方向け。 

ふーふーしてあげる息子くんカワイイです😚息子くんが天使過ぎるのでパッパがおかしくなってしまうのは仕方ないですね😂

バラダイのような普通の父子のようなよくわからないココア話。父の様子がおかしいので何でも許せる方向け。 


やなかさんお付き合いくださりありがとうございます
🥰🙏
息子くんは天使!可愛い!と唱えながら書いてたのでそう言っていただけて嬉しいです
:ablobcatheartful:
おかしいパッパは………私の趣味です
🤣すみません😂でも致し方ないと思:pblobangel:

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