俺の消太が元生徒だと言うクソガキに奪われる話①/心相
「先生、好きです……」
寒い冬の日、一年生の心操は相澤に告白をした。
何度転んでもがむしゃらにひたむきに強くなろうとヒーローを目指す心操の姿に相澤の心は強く惹かれた。
この想いは一生告げる事なく終わらせるつもりだった。
だが、心操も相澤に強く惹かれていた。
心操の瞳が好きだと言えば俺もだと言えない気持ちを表すように瞳を閉じる。
世間を知って視野を広げればお前に似合う素敵な相手ときっと出会える。
幸せに暮らしてほしいと心から願っていた。俺のようにならないでほしい、と。
「心操、お前は知らなかったな…」
そう言うと首に下げていたネックレスを取り出す。
その時、初めていつも相澤が首にかけていたのはネックレスではなくリングホルダーだと知る。
外された指輪を薬指につけるとこう言う事だと心操に現実を突きつける。
相澤は結婚をしていた。
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日本で起きた敵とヒーローの大戦後、俺は妻の消太と共にドバイの高級マンションで暮らしていた。
「あー…ママァ?うん、元気だよ…わかってるって……日本で暮らせるようになるまではコッチで暮らすよ。パパにお金振り込んどいてと伝えておいてよ、じゃあね」
うぜーんだよ、クソババアが…と電話を切る。