【文喫トークイベント"自分自身を説明すること"選書⑦】
『蛇を踏む』/川上弘美
ぐにゃぐにゃとした小説である。捉えどころは見えないままに、ぬるぬると進んで、ふにゃりとどこだか知らないところに辿り着く。…この小説はおれの性別のようだと思う。よく、おれは「わかりやすい」と思われる。性格も性別も全部。でもそうなんだろうか?おれ自身にも分からないところがたくさんあるのに。おれがおれのほんとうのことを言っても相手の世界においては難解で、理解されないだろうこともわかっている。わかっているんだ。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167631017