著者のローズ教授が明らかにしたように、現在、世界を席巻している「ウォーク資本主義」は、実は、「意識高い系」に偽装された新自由主義であり、言わば新自由主義の進化系だったのである。見えにくくなっている上、ポリコレの威力によって批判しにくくなっている。露骨な新自由主義よりもタチが悪い
保守勢力に強く支持された安倍政権が、女性の活躍や移民の受け入れといった進歩主義的な「意識高い系」の政策を打ち出したことは意外だとする見方が多かった。しかし、「ウォーク資本主義」を理解していれば、何も意外なことはないだろう。安倍政権は、その新自由主義の隠れ蓑に意識高い系を利用した
この「ウォーク資本主義」、日本でも早急に対策を議論し始めなければならない問題である。
ウォーク資本主義は民主的な根拠に基づいて反対され抵抗される必要がある。それは、公共の政治的利益がグローバル資本の私的利用によって、ますます支配されるようになつてしまうからだ、この場合、企業資源の相当な部分が公共道徳を利用するために充当されるなかで、民主主義に問題が生じることになる