ショックをわざわざ作り出さなくとも、テロとの戦いは都合の悪い相手にレッテル貼ができ、政府がいつでも緊急事態を宣言できるよう憲法が変われば、チリの軍事クーデターや9.11後のアメリカでそうだったように、私たちの主権が突然奪われる日が、ここ日本にも来るかもしれません。
善悪二元論に陥った民衆ほど、扱いやすい存在はありません、異なる意見を持つ相手に、レッテルを貼り排除するようになったら要注意。偏見と分断は、ショックドクトリンを仕掛ける側にとって、甘い蜜だからです。
ショックドクトリンに繰り返し登場する、メディアという協力なプレーヤーの役割を思い出してください。9.11で、イラクで、私たち民衆はなぜショックドクトリンを許してしまったのでしょうか。
ショックドクトリンに出てくる多くの事例が示すように、犯人探しをしたくなる私たちの本能は常に、
国民を分断し、撹乱し、戦う相手を見誤るよう、利用されてきました。
それらを読むと、今世界規模で起きている数々のショックの下でも、同じように情報が狭められ、対立を煽られ、人々が分断されていることに気づくでしょう。
物事を深く、長く、広く見る力を失い、自分の頭で考えることをやめてしまった時にこそ、ショックドクトリンは牙を剥き、私たちは最も簡単に餌食にされてしまうのです