『逆まわりの世界〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-41)』フィリップ・K・ディック
『逆まわりの世界〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-41)』フィリップ・K・ディック
蔵書より。ディック積読を久しぶりに消化。難しいというか、捉えにくい話だった。解説読んでわかった気がするような、余計わからなくなったような。相変わらず明るい話ではないね。死から蘇る話といえば良いように聞こえるけど、終わりはある。なにより、気持ちの悪い現象だらけ。食事ではなく口から出す(だから"クソ"に"フード"とルビがある)し、蘇った老人はやがて赤ん坊になり子宮に入る。でもそれは実母ではない、どこかの誰か。さらにその後その女性は、どこかの誰かとセックスする。ああ、この違和感を経験できて良かった。
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逆回りの世界
読書メーターの他の人の書評で、悪夢的という表現があって、なるほどと思った。
ただ単純に悪いことがおこるのではない。全体的に言い得ぬ違和感というか、不整合があると感じていて、でもそのルールは理解できて、思うように行かなくて……という感じ。
これって割とディック作品に共通する要素のような気がする。