森和也『神道・儒教・仏教』(ちくま新書)
ゆっくりと読み進めています。
江戸時代の三教の関係性を詳しく伝えてくれる本。個人的に衝撃を受ける内容が多いです。
私のような素人が思いつく、安易な仏教反駁は、江戸時代の儒者や神道家から全て出尽くしていたことを知り、消え入るような気持ちです。
また、長崎からオランダ経由で諸外国の情報が入るにあたって、「天竺ではすでに仏教が滅んでいた」との情報が衝撃を持って迎えられたとの記述は、興味深い。これで、「仏教は弱い。これでは国家を守れない」となり、明治維新にも影響を及ぼしていると。
また、「釈迦の本当の教え」を求めるような、純粋さを志向する流れも、すでにこのころから存在するというのも。
つくづく、歴史というのは切れ目のない流れだと思い知らされます。現代の諸問題は戦前と繋がっており、戦前は江戸時代と繋がっているのですね。