小池陽慈先生の「現代評論キーワード講義」を読了しました。
ずいぶんと時間がかかってしまいました。「これは空き時間に片手間で読める本ではないぞ」と認識してから、向き合うための体調がフルに戻るまで時間がかかった、という言い訳です。しかし、今はそれで正しい選択をしたと思っています。
現代の諸問題を論じるための言葉を、全く理解していなかったと、深く深く思い知らされました。語感から感じるイメージだけで表面的に捉えていた言葉の、なんと多かったことか。自分に必要なのは、まずは本気で真剣に知ることでした。何かを論ずる段階でなどないと思い知らされました。
これは「学習参考書」という言葉からイメージされるものからは遠いものだと思います。何か中立の立場を装って書かれていない。現代の諸問題について立場を明確にしながら、正面からぶつかって論じられています。もしかすると、それを批判される方もいるかもしれません。しかし、私は、その姿勢が本来我々が取るべき姿であると思います。現代を規定する言葉の前にあって、我々は中立でなどいられません。その覚悟を決められた姿勢が、本当にめちゃくちゃ格好良いです。