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岩波文庫の平家物語、第一巻を読了しましたー!
まだ興福寺も燃えていないので、物語的には静か、ただ、それでも印象に残ったシーンがあります。重盛卿が、今際の際に中国からの医師の診察を拒絶するのです。「外国の者を都に入れるのは、末代まで日本の恥になる」と。これ、相当倒錯しています。
というのも、作中で重盛卿は、およそ聖人として描かれるのですが、その聖性を担保しているのは、彼が儒教の倫理の上で完璧だからなのです。だというのに、その儒教がまさに生まれた国の人間を、「不浄である」と拒絶する。論理矛盾です。でも、今の日本でも割とみられる光景。こんな時代からだったとは

重盛卿だけではなく、作中では好きあらば中国の古典が差し込まれ、大陸の文化への強烈な憧憬が確かにそこにある。だというのに、今生きている大陸の人間は不浄になってしまう。この倒錯の正体は、本当になんなのでしょう。何を読めば、正体がわかるのかなあ。

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