散髪に行ったあと、そういえば今期のをまだ見ていないことに気づき、JR総持寺駅で開催中のSOU 12へ。現代美術家の稲垣元則氏と藤本聖美女史が大阪府茨木市で展開しているOne Art Projectがこの駅の自由通路の壁に平面作品の拡大プリントを設置するというこのSOU、半年ごとにテーマと作品を入れ替えて展開されていますが、今回は「モダンタイムス」というテーマで、1964年に京都府亀岡市に設立された知的障がい者の支援団体みずのきが事業の一環として手がけていた絵画教室のコレクションから四点の拡大プリントが設置されています。

作品や作家については公式サイト(
https://www.sou-art.com/ )で解説されているので、詳細はそちらを参照していただきたいのですが、1960年代から80年代にかけて──ということは日本に「アール・ブリュット」や「障がい者アート」という言葉自体がなかった頃かもしれませんが──描かれたこれらの作品は、確かに《いつどこで描かれたということをはるかに超えて》(←公式サイトより)あることが感得され、興味深いところ。近年、関西では「障がい者アート」の枠を越えた「アート」としてこれらの障がい者の作品をプレゼンする団体がいくつか出てきていますが、そういう流れの中で過去の作品が再発見されることの意義は、決して小さくないでしょう。以前から単なる地域アートに収まらない批評的射程を内に含んだ活動を展開しているOne Art Projectが、この方面においてもまた新たなマイルストーンを置いたことになり、これは痛快な仕事だなぁと思うところ。3月末まで

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