“美しい本–湯川書房の書物と版画”に行ってきた。

会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館

会期:2023年1/21〜4/16

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2022-a-collection2

『湯川書房は装幀や製本に意匠を凝らした限定本を出版し、2008年に活動の幕を閉じるまで多くの愛書家を魅了しました。
小川国夫、加藤周一、谷崎潤一郎、塚本邦雄、辻邦生、車谷長吉など一流の文学作品を気鋭の美術家の作品と結びあわせた独創的な書物で知られ、1970~80年代に興隆した限定本文化の担い手となりました。』
(展覧会概要より抜粋)

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とにかく「美しい本」だった。
文学作品選びから始まって、絵画、版画、染色を結び合わせて、装幀の素材、1ページの紙選びまでこだわり尽くした本が展示されていた。
眺め、手に取り、重みや感触を味わうところから始まり、読むという行為から得る情報や感動も込みで「本」なのだけど、ここで見た本たちの美しさや佇まいは表具や表装の域。
本を飛び越えてさらに向こう側の「本」という感じ。

私は函・箱に注目してしまった。
総革の本の表紙を守るように函が(なんなら二重に)ついていて、
本を保護するための函なのだけど、こちらも豪華で、大切なものの証明というか、表明というか。
文学作品が、選び抜かれた素晴らしい紙に刷られ、集められ製本され、装幀は作品として一つ一つに丁寧に手が加えられ、さらに美しい函に入っている。
幾重にも守られているような、尊重され飾られているような。
それでいてゴテゴテせず嫌味がなくさりげなくて、そこがまた凄かった。
読まれてこその本、用の美…そういった実用面の余白も用意されてる気はした。
(いざ触ってみて、と言われたら緊張して全然読めなさそう)

小規模ではあったけど、渋くていい展示でした。
「本」に対しての特別性や憧れってあるよね。

無駄を省いて最小限に低燃費で現実的で実現可能な洗練もあるかもしれないけど、
非効率的で手間暇がうんとかかってて面倒臭くていろいろ度返しな素敵さ、魅力ってなんだろうね。(豪華ってことかも)

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