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『ナイトライド 時間は嗤う』(2021) ※微ネタバレ 

作品の構造とごく大まかな物語設定への言及あり

いつかもう一度見たいか:忘れた頃にまた見てもいいかも

全編ワンショットの映画はさほど珍しくもないけど、これは基本的に「時間との戦い」がずっと続く映画なので手法に分かりやすく必然性があってよい
ワンショットであることが目的化したような映画だと、そんなもんで客寄せするよりきっちり刈り込んだのを見せてくれよ…と思うことも多々あるので

待ち合わせ場所に車を止めて相手が来るまでの微妙な時間とか見ててちゃんとダレるのだけど、そういう普通の劇映画では絶対に切り詰められる無意味な間がそのまま残ってることで、見てるこちらの時間感覚と主人公のそれがシンクロする感じ
なのでいざ主人公が時間に追われ出したときの緊迫感やもどかしさもリアルに感じられた

しかも主人公は麻薬取引の司令塔なので、自分ではあまり手を下さない
話の展開の大半が、主人公と電話の相手との会話で説明される
『THE GUILTY/ギルティ』(2018)とか思い出した
9割がた車内で電話するおっさんをノーカットで撮ってるだけ
でもなんか見れた
主人公の抑えた演技が好みだったのもあるかも

続く

続き 

それと対照的というほどではないけど、電話の相手は声の調子や喋り方でキャラクター(部下のポンコツコンビとか、堅気のビジネスパートナーとか)が察せられる人が多くて面白かった
視覚的な描写が制限されている分、想像力が喚起されるのかもしれない
あと最後の最後のひとくだりもちょっと気が利いてて好きだった

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