「先人たちの底力 知恵泉」柳宗悦の回(24.06.04) 

録画したままだったのをやっと見た

若松英輔さんの「美は驚きである」という言葉を受けて、林家たい平さんが
「心を動かしたもの(道の花とか)の写真を撮ってSNSに投稿している」
「民藝のような発想で、暮らしの中で小さな驚き(美)を共有するということができないかと」という意味のことを言っていた

スマホで写真撮ってSNSで共有、というありふれた行為に民藝の思想(の一部)を見出すことができるのに驚いた
(逆にいえば、このように傍から見ればありふれた行為にもそれをする人の数だけ背景が存在すると考えるべきだし、その行為を凡庸だと簡単に切って捨てることで見過ごしてしまうものは少なくないんだろう)

民藝における驚き=美は、基本的には鑑賞者が「発見」することではじめて現出するものだと思うけど、そのような(作り手側の)無私性・無作為性は確かに「見たものの写真を撮って共有」という行為にも共通してる気がする

同じように無私性・無作為性を追及することで芸術の超越を目論んだトマソンが、撮影&雑誌投稿というSNSでの共有行為の原型のようなかたちで展開されたことなども思い出す

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「先人たちの底力 知恵泉」柳宗悦の回(24.06.04) 

なんにせよ、民藝の思想を自分なりに咀嚼し、生活と地続きで実践しているたい平さんは素敵だなあと素直に思った(番組出演にあたってこじつけたのかもしれないけど、だとしても自分は先述のように理屈で納得できた)

創作物、とくに古いものを現実・実生活と切り離して、要はある種の現実逃避として楽しみがちな自分にはそのような姿勢はあまりない
何をどのように楽しもうが人の勝手だというのはもちろん前提にあるけど、それでも羨ましく思えるところはあった

正直たい平さんの芸風はちょっと苦手(落語には無知なので、あくまでタレントとして)だったけど、少し見る目が変わるかもしれない

※後編も見たけど、そちらについては特に書き留めたいことはなかった

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