映画『やさしい女』(1969) ※弱ネタバレ 

最後のシーンに触れてるけど、ストーリー的な結末は映画の冒頭で明かされ、そこに至る経緯を述懐するというプロットなので致命的なネタバレではないと思う
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愛想がなくて丹念な映画
漫然と撮ったカットなどひとつもなさそうな
しかし編集テンポや音響があまりにも素っ気なくて、饒舌な映像と音響に慣れ切った目と耳にはしんどかった
10分ぐらいで集中力が切れるので細切れに見た
なのでストーリーを味わうとかは当然早々に諦めた
途中あまりにも辛くて「2023UFCベストKO」みたいな動画と交互に見たりした
(そういうことをしてるので、趣味は映画鑑賞とか一生言えない)

主人公の女が浴室を出入りするシーンで、同ポジの豪快なジャンプカットがあった
ヌーヴェルヴァーグ的なあれなのかなんなのか(ちょっと検索した感じ所謂ヌーヴェルヴァーグの人ではないようだけど)

登場人物2人が食事するシーンでは、両者のスプーンをカメラが執拗に追っていた
スプーンを口に運ぶときだけ人物の顔が映り、スプーンを下げると顔が画面から外れる
笑ってしまうぐらいの律義さ、ちょっと小津っぽいなあと思ったり

続く

フォロー

続き 

主人公の男がベッドとマットレスを買うシーンはびっくりした
店に入った主人公が黙ってベッドを指差す→次に黙ってマットレスを指さす
で次のカットでは主人公の家に業者がマットレスを搬入している
すさまじい省略の仕方

最後のカットでは、主人公の女の遺体が入った棺の蓋のボルトを機械的に締める手が映っている
やがて画面が暗転し、ボルトを締める金属的な音だけが短い間続いて終わる
徹頭徹尾素っ気なく、感情移入を許さない

映像的に面白いところがいっぱいあった、けどしんどかった
でも見てよかったかな
原作読みたいかも
ドストエフスキーらしい

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