映画『電送人間』(1960)、軍国キャバレーについて
劇中に登場する「軍国キャバレー DAIHONEI」という店が気になりすぎて映画の内容があまり入ってこなかった
以下メモ
呼び込みは銃剣や水筒を持った階級低そうな兵士の衣装
ホステスは海兵風の衣装
ボーイも兵士の衣装、注文すると敬礼しながら「了解!」と答える
ドリンクの名前は「焼夷弾(客曰く「ヒリヒリする酒」)」「ロケット(高い酒)」など
フードメニューのことは「兵糧」と呼ぶらしい(注文すると「ただいま輸送してまいります」と答える)
客がホステスと踊るときには軍艦マーチなどが演奏される
このように相当コンセプトが作り込まれていた
ただし、全身に金粉を塗った女性ダンサーがペレス・プラード風のマンボに合わせて踊る、軍国あまり関係なさそうなショーもやっていた
なお、こういう店は実際にあったらしい
http://horaiya.com/story/past09/
"〝大福キャバレー〝と〝富士屋″は、以前から互いに反対趣向で張り合っていた。片方が〝海軍キャバレー″をやると片方は〝陸軍キャバレー〝、片方が〝女学生アルバイトサロン〝をやると片方が何とかといったあんばいだ。軍隊キャバレーというのは、マネージャーやボーイなどが軍服を着て客を迎える。注文すれば客も士官服を着られる。それをホステスたちがチヤホヤするといったものだった"
https://twitter.com/chocoramastudio/status/1107613599025922049
こちらのスレッドには陸軍キャバレー・海軍キャバレーのチラシと、上記「大福キャバレー」の経営者と思われる人のインタビュー記事がある
そちら方面の思想の持ち主というわけではなく、客寄せの方策として考案したものらしい
店のことは、"軍キャバ"と呼んでいたようだ
こちらにも書かれているように、軍国酒場が登場する映画は他にいくつかあるもよう
なお『電送人間』中で「DAIHONEI」を訪れた登場人物に「頭が変になる」と言わせていることから、少なくとも映画の作り手はこうした店を「奇妙な場所」と認識していたものと思われる
以下、一応映画の感想
車に人が乗り込んで走り出す様子を、ほぼ真上(ビルの上層階か屋上から撮ってる)からとらえたショットがあった
また、ある登場人物が襲われる直前のシーンでは、カメラが斜めに傾いたようなカットが頻繁に出てきた
意図はよく分からない
上記のように、この手の映画には珍しくやや気取った感じの映像がちょくちょく出てきた
特撮にはあまり目を引くものはなかったけど、列車の爆破シーンはよくできてると思った
ミニチュアだろうか
あと、今とそう違わない制服を着た警察官が夜間に提灯を持っているのがかわいかった #特撮 #SF
映画『電送人間』(1960)、軍国キャバレーについて