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映画『吐きだめの悪魔』(1986) ※微ネタバレ 

個々の描写への具体的言及あり

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急に見たくなって久しぶりに見た。やっぱり不思議な映画。脚本も演技も安っぽくて基本的には退屈なのだけど、ちょっとした小道具やライティング、特殊効果などから、ストーリーをただ漫然と語ることを良しとしない演出者としての自我が感じられる。技術的なことに疎いので具体的にいえないけど、カメラワーク含め撮影もとてもいいんじゃないかと思う。

ある登場人物が見る、ベトナム戦争のトラウマと性欲が混濁したような夢や妄想のシーンが特に好き。安物の映画によくあるサイケなだけであやふやな描写ではなく、ベトコン?が吸血鬼のような化け物になっていたり、「自分」が女に乳首を吸われる瞬間に遠くで爆炎が上がったりと、きちんとアイデアを盛り込んだキレのある内容になっている。

ネタにしやすい強烈なシーン・描写がいくつかあるので、商業的にはカルトホラーとか悪趣味/バカ映画みたいな紹介の仕方になってしまうんだろう。でもそれだけではない、真摯さと怠惰さが入り混じった面白い映画だと思う。

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