Xの見出し問題
旧仕様のカードに、
●わざわざリンク先に飛んで本文を読む人が少ないので、見出しのミスリードに対して脆弱
●(上記にも関わるけど)自サービスに誘因するため見出しが極端・悪質なものになる、いわゆるクリックベイト
などの問題があったのは確かだと思う(どちらもX/Twitterの設計のみに依拠する問題ではないけど)
それらへの問題意識自体は、たとえ建前だとしても支持できる
実際の方策が「見出しを削除するだけ」という上記問題への対処としては不十分どころか逆効果なものだったので、本音としては単に客を囲い込みたかっただけなのではと疑わざるを得ないけど
https://forbesjapan.com/articles/detail/65446
ただ仮に本気で上記問題の解決に取り組んだとして、少なくともXが営利事業である限りは根本的な解決に至ることはない気がする
人間は「それだけ見れば全容を理解した気になれる何か」を常に求めるものだと思っている
「見出ししか見ない人」問題は、新聞や雑誌が主要な情報源だった時代にも程度の差こそあれあったはずで
その観点においては、見出しが真であろうと偽であろうと本質的な違いはない
もちろん偽情報は偽である旨をきちんと指摘されるべきだ
でもたとえ見出しがひとまず真といえるものであろうと、それだけを見て全容を理解した気になるのは、ときに完全に無知である以上に危険なことだ
あくまでメインコンテンツへの導線にすぎないはずの見出しが分不相応なプレゼンスを持ってしまっていること自体が問題だと思う
根本的な解決方法として、効率性をある程度犠牲にして「各自が時間の許す限りちゃんと読む」以上のものは自分には思いつかない
でもそれって人間の根源的な欲求とはたぶん対立する姿勢で、その根源的な欲求にフィットするよう設計されるサービスとも相性が致命的に悪いのだろうなと
また仮に多くの人が「ちゃんと読む」を実践できたとしても、クリックベイトの問題は依然として残る(ユーザーの可処分時間が有限である以上はその時間の奪い合いになるし、その武器として見出しが利用されるのも必然なので)
Xの仕様変更は対策になっていないので、別の方法を検討する必要があると思う
でもニュースメディアはニュースメディアで、撤回を求める以外にもすべきことはあるはず
マスク氏が要求するようにある程度まとまった情報をX上に投稿するか、それが受け入れられないなら、Xへの依存を低減するとともにX側から不当な形で利用されるのを防ぐ抜本的な方策を検討すべきだろう(前々から模索はしてるんだろうけど)
もちろん、なんだかんだ言いながら情報収集手段としてのXにいまだ大きく依存しているユーザーの側にも考えるべきことはあると思う