ちょうど源氏物語が大河で活気づいてるようなのでマルグリット・ユルスナールが源氏物語の二次創作書いてたの思い出して『東方綺譚』収録の「源氏の君の最後の恋」を読んだのだった
源氏物語の「幻」と「匂宮」の間にある「雲隠」(本文は現存せず、巻名のみ)にあたる部分、光源氏が隠居してから亡くなるまでの部分をユルスナールのオリジナル展開で書いてるのが「源氏の君の最後の恋」なんだけど、紫式部が敢えて書かなかったのか、本文はあったけれど平安時代以降の戦乱で失われてしまったのかを思いながら読むのも楽しかった

わたしは源氏物語はうっすらあらすじを知ってる程度なんだけど、爆モテ光の君時代があっても帝にはなれず、歳をとって栄光の日々は過ぎ去り、遠い空の黄昏の埋み火を盲いてゆく目で眺めているような光源氏の最期をユルスナールが抽出したのは見事だなあと思う

源氏物語って光源氏の爆イケモテ期のイメージがどうしても強く感じてしまうけどたぶん当時の仏教の価値観や末法思想が反映されていて(帝もわりとよく出家してる)どんなに栄華を誇っていてもいずれは衰退してゆくって話なんだな〜っていう理解なんだけど(ほんとに浅い理解なのでちがうかもしれない)このあたり源氏物語におくわしい人ならもっと楽しめるんじゃないかしら

たぶんって言っちゃったけどこれ「もののあはれ」ってひとことで本居宣長が言ってましたね

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