高島鈴「そこに在る身体」を読んだこと2/2(感想というにはあまりに私的すぎる何か、まさかの字数オーバー)
"そして目の前の相手を理解したいと願うとき、雪仁の身体は確かにそこにあった。"
ここがすごく、自分事に感じて、もちろん題材と雪仁についてそうである文なんだけど、それを超えてわたしに届いて、わたしが今の職場で削られて失くしてしまった自分というものが、好きなひとや、もののために取り戻す瞬間がまだあってそれがすごく生きているってことだということを、このシーンで思い出して、ぼろぼろと泣いていた。
盛岡の冷えた空気を裂くような羽村の涙声が想像できる6. 、切なくて、苦しくて、と言葉を続けたくても続けられなくなってしまう8. 、後半はずっと鮮やかで、ぬくもっていたようなトーンのように淡く感じていた前半からの激情で、胸がいっぱいになった。
全然作品についての感想ではなくなってしまったけど、わたしの心はしばらく雪仁と羽村について考えるし、日本について考えるし、……
頭をいっぱいにして、まだ生きていたい。