井上ナヲ『いつか君とはなれ』
安アパートで大家をしている生活能力皆無の義父と息子の話。義父は過去息子の実父が好きだった、という一方通行関係。息子に告白された時に義父→実父への恋が叶うような気がして、最低な気持ちになったと明かす義父。登場人物すべてが自分の気持ちを諦めているような感じでずっと粛々としており、なんとなく邦画っぽさ(?)を感じた。大きく関係が変化するドラマがあるわけではないものの、息子→義父の想いを最終的に「諦めなくてもいいよね」ってなるのだが、そこで『いつか君とはなれ』というタイトルが効いてくる感じ。いつかどこかにある別れや死や諦めの予感を匂わされて切なくなる。
絵柄のシンプルさなども含めめちゃくちゃ好みというわけではなかったが、BL漫画を読んでこういう感傷を感じるのが好きだと思い出した。
QT: https://fedibird.com/@tropical_haka/111657941053950731 [参照]