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小さなヴェを連れての巡礼旅。 

旅程が遅れてアーレア村で一泊することになった一行。
僻地の村なんて初めてで、ちょろちょろとうろつくヴェに、兄上があまり遠くに行かないようにって注意するんだけど、守ってるつもりであとちょっとあとちょっとと距離を延ばしてしまって、気が付けば宿の裏手の雑木林の中に迷い込んでて。
近くで騎士が読んでる声が聞こえるのに、高く茂る雑草に埋もれてるヴェは騎士を見つけられないし、騎士もヴぇを見つけられない。
一気に不安に駆られてぶわっと涙腺が緩みそうになったところで、「こっちだよ」と手を握られる。
明るい髪の男の子がぐいっと手を引くのに抵抗して、なにするんだ、と手を外そうとするんだけど全然外れなくて。
「騎士さんのところに戻りたいんでしょ?」
きょとりと首を傾げる男の子に、そこは素直にこくりと頷き、じゃあおいでと言われて今度は素直についていくヴェ。
無事騎士の下に戻ったヴェが、お礼をしないとと言い出したら、いらないよと言われたけど、だめだ世話になったらちゃんとお礼をするって兄上が言ってた!と絶対お礼するマン化してるヴェに、騎士も無理強いはダメですとは言いにくく…だってかわいいんだもん。

小さなヴェを連れての巡礼旅。 

じゃあそのクワガタもらうね。
ヴェの背中からクワガタを取って見せる。
一応モンスターに分類される虫に、思わずひあぁあっと声を上げちゃうヴェ。
そのかわいい悲鳴に、大丈夫だよ、ここ掴んでたら大人しくなるんだよって教えるつもりで虫をぐっと近づけたら、ぴゃっと騎士の後ろに逃げられて。
思わぬ反応に戸惑いつつも、驚かせたのは分かったので、誤るために虫持ったまま一歩近づいた瞬間、あにうえぇぇー!!と宿らしき建物に向かって走り去るヴェ。落ち着いて下さい!そちらは宿ではありませんー!と追いかける騎士を添えて。
呆然と見送る明るい髪の少年マゼは、村の子供にはない反応に、戸惑いとトキメキを覚えたましたネタ。オワリ。

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