記憶喪失のハンルスの話
ハンが事故って記憶なくすんだけど、その少し前にルスタにプロボーズして指輪渡してるんだよね。だからルの左手薬指には指輪があるんだけどさ。
付き合うようになって、ルの近くに異動してきたハンが半ば強引にルの狭いアパートに居ついて同棲がはじまるわけよ。でもある日、「いい家見つかった!」ってハンが新しい家の鍵と指輪差し出してプロポーズしてくんの。そんなのYes以外の返事もなくて入籍するって時のことで。
色んな思いが駆け巡る中、自分とのことを忘れたハンにルは離れることを決意するんだよね。幸いハンが用意した新居があって住むところはあるし、アパートはハンに明け渡して自分の荷物や痕跡は全部消して、ハンが退院する前に引っ越し完了させちゃう。退院したハンは見慣れないアパートに不思議そうにするんだけど、忘れてるだけかって思って生活開始する。
記憶喪失のハンルスの話
ルスタは一緒に住むはずだった広い一軒家で何を思うんだろう。ハンが書斎にするって言ってた部屋は彼好みな書斎にしておくのかな。ハンが忘れた5年の記憶の中に残る自分の痕跡をなくすためにスマホのデータを消すべくハンが寝てる間に顔認証で開いてテキストとか画像フォルダを見るんだけど、いつ撮ったのかわからないような自分の写真と、保存されてるメッセージとか見てぼろぼろ泣いてるといい。泣きながらそれらの思い出を消して、そっと病室から退散するんだよね。
無理に思い出させるのも刺激するのも危ないって医者からは言われてて、これは仕方ないことなんだって言い聞かせながら消すんだよね
記憶喪失のハンルスの話
ルスタと付き合い始める前までの記憶しかないから、異動してきたのも自らの意志とも知らず、新しい街並みに中々慣れなくてそわそわするし、ルへ片思いしてた気持ちは覚えているから同じ街にルがいるんだって思うと嬉しくなるんだけど、退院してから久しぶりに会ったルの薬指に光る指輪に愕然とするんだよね。なくした5年の記憶の間に、誰とも知らない奴に奪われたのかって愕然とするんだよね。
ルスタが幸せなら……なんて殊勝なこと思った瞬間もあったけど、相手がどんな奴かめちゃくちゃ気になって詰め寄るのもいい。
🥴結婚したのか!?(俺以外の奴と!!)
🐓あーうん、そうね
呟く顔がどこか寂しそうで、誰がお前にそんな顔させてんだよ!?ってバチクソにぶち切れてルの相手を探しはじめるハン。でも誰に聞いても教えてもらえないんだよね。皆「ほっとけよ」とか「そっとしておけ」とか曖昧な顔で流されて終わったり。まあ、周りはルに頼まれて忘れてる記憶は無理に取り戻そうとすると危ないから、刺激しないように何も教えないでって言われてるんだよね。