白暮のクロニクルの最終話を読んだ時に感じた気持ちを当時は全然言語化できなかったんだけど、今なら少しは書けるかなという気がしたので書く 

まず最終巻直前の10巻の終わりが絶望的で。ここからどうやったら登場人物達が救われるのか全然想像できなかった。
「羊殺し」の犯人は捕まえたのに誰も何も救われない。「捕まえたのに」というのがもう本当に絶望的で。物語全体を通じての問題は一応解決した、のに酷くなる展開しかなかったから。
ただでさえ追い詰められてるオキナガはオキナガの連続殺人が明らかになった事でより迫害が酷くなるだろうし、魅個人も犯人を捕まえても何も救われず苦痛が強くなるばかりで。
どうにか皆幸せになってほしいのに都合のいい想像ですらこの状況がマシになる展開が全然わからなかった。
魅とあかりのカップリングに萌え萌えしてた私でも、二人が結ばれたとしても何っっっっ一つ救われる気がしなかったこの絶望っぷり(「普通」は愛の力で絶望的状況から一発逆転でいい感じに持って行くけど、これはファンの都合のいい夢想でも無理無理だから)
肝心の最終巻も最終話1話前までただただ辛い展開で…辛い…辛い…。

白暮のクロニクルの最終話を読んだ時に感じた気持ちを当時は全然言語化できなかったんだけど、今なら少しは書けるかなという気がしたので書く2 

で、最終話。前話までの絶望が嘘みたいに、寂しくて切ないけど穏やかで温かいラストで。
ここからどうやったらマシな状況になるのか何もわからん〜〜〜〜〜!!!と読んでて苦しくて苦しくてたまらなかったのにどうしてこんなにあっさり着地…?わからん…いや話の展開としては何もおかしい事ないし私が嬉しいのはオキナガの皆が元気そうだから…でも何もわからん…あんな苦しい話がどうしてこんなに美しく…?

「自分が読んでて辛かったのはオキナガが差別されていたから。その差別が最終話(数十年後)では今までよりマシになっていたと思われるので辛さが解消されて幸福な結末だと感じられた。白暮のクロニクルはずっと『マイノリティが差別される話』をやっていたんだけど、私にはそれがわかっていないのでどうすればマシな状況になるのかわからなかった。差別の話なんだからハッピーエンドの条件は『差別がなくなる(マシになる)事』しかない。恋愛じゃ解決しないのは当然」
というのが人権や差別について考えるようになってやっとわかった。

白暮のクロニクルの最終話を読んだ時に感じた気持ちを当時は全然言語化できなかったんだけど、今なら少しは書けるかなという気がしたので書く3 

ラストがあれなら魅とあかりは恋愛抜きのバディでも良かったんじゃない?と思った事もあったけど、二人がロマンスを含む関係性だったからこそ「これ二人がくっついても苦しい事何も変わらんな」「結ばれなかったけど幸福な結末だったな」→差別の問題なので愛で解決しないし恋愛が成就しなくても差別が解消されつつあるなら幸福な結末になるというのが可視化されて私にとっては良かったなと思った。

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という事を結構割とずっと考えていたんだけど書く機会もなく頭の中でぐるぐる考えてた。
実写化ニュース見てやっと書いた。

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