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意味違いの掃除 

最悪だった。
心底げんなりした様子で言うナナリーは、珍しく自分から僕の方へと腕を絡めてするりと身を寄せてきた。
これから共に夕食を食べに行く所なのだが、待ち合わせにこれまた珍しく遅れてきた事といいこの状況といい、どうやらなにかあったらしい。尋ねると、昔二度ほど会ったことのあるあの自称幼馴染と会ってしまったらしい。僕にとってもいい思い出はなく、ああ、あの傍迷惑な……と言ったら水色の髪が縦に揺れた。
「色気づいた似合わない服着やがってとか、そんな格好でどこ行くんだとか……やかましいったらありゃしない。服装も行先もあんなヤツに関係ないっつーの。無視して目眩しかけてさっさと離れてきた」
「その服、ブルネル達と買い物に行って買ったって言ってたやつだろう?似合ってるよ」
「……ん、ありがと……あんなのの言う事なんて気にしてないけど、あまりにもねちねちうるさいからちょっと疲れちゃった」
せっかくこれからご飯なのにごめんねと、ナナリーが謝ることでは無いのに謝罪される。全くもって度し難い。
「……ねえナナリー。掃除、しようか?」
未だ腕に懐いてくれているナナリーにそう聞けば「前みたいに雑巾で?わざわざいいわよ」と笑う。それよりもお腹空いた!と僕の手を引く彼女に、とりあえず今は様子見かと思考を切り替えた。

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