#ドロ小ネタ 付き合ってるドロで、ドさんに婚約者がいたことを知ったロ君
「相性最悪で、石にされて終わりさ。あーあ、思い出すのも嫌だ」
「石……」
「ゴ…ゴナ叔母様の能力は覚えているだろ? 娘も同じ能力が使えるんだよ」
「あ、新年会の時にサイコロの片側を石化させて重りにしたやつ?」
「そう」
「あんな感じでお前が石にされたのか?」
「……そう」
「お前何したんだよ」
「失敬な、何もしとらんわ!」
「え、でもヒナ……との初対面の時だって……」
「紳士なら普通だろうが」
「いやまあ場合によってはそうかもしんねえけど、あれは胡散臭かった」
「女性の扱いを何も知らん奴に言われたかないわ!」
「お前が胡散臭かったことは置いとくとして」
「おい」
「俺だってお前のこと砂にしてるんだから同じじゃねえの? お前を石化させるのと砂にして袋詰めにするのと、動きを封じてるって意味では何も変わらないだろ」
「いいや、愛のある拳と悪意を込めた攻撃は全くの別物だぞ」
「あ、愛って……。俺だって腹立ってやってんだぞ。殴られて嬉しいとかそんなんお前ただのMじゃん」
#ドロ小ネタ 付き合ってるドロで、ドさんに婚約者がいたことを知ったロ君
「すーぐそうやって嗜虐被虐に結びつけようとする! その思考から一旦離れろ。ロ君のことはずっと隣で見ているんだからわかるよ。そりゃあ確かに、君はまどろっこしいことが嫌いで、煽り耐性も低いから冷静な話し合いだって苦手で、すぐ暴力に訴えようとするところはあるけど」
「……悪かったな」
「悪いとは言ってない。それに新横に現れるポンチの特性的にも、正直暴力で解決した方が早いからな。だからといって、ロ君は正当な理由を聞かずに誰彼構わず拳を振るっているわけでもない」
「それはそう、だと思う」
「なら、私の場合はどう?」
「どうって?」
「私だったら理由が何だろうと聞くまでもなく、別に砂にしちゃって良いやって思ってるでしょ?」
「それはお前の日頃の行いのせいだろ」
「まあね」
「そこ認めるのかよ。だから他の奴らとお前を同列に考えるのは間違ってるんだって」
「そういうことだ」
「?」
「つまり私だったら初手暴力でも許してもらえるって、ロ君が無意識に他の人と私で明らかに対応を変えてるってことじゃないか。私にはどんなことをしても大丈夫だって甘えてくれてる証拠だよ」
「は!?」